比較的若い入居者様(60代後半から70歳前後)への対応

公開日:2016.09.07

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高齢者の定義は、国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としています。医療に関する法律では65歳~74歳までを前期高齢者といい、75歳以上を後期高齢者としています。施設に入所される方の年齢は80歳以上の方が多いのですが、中には60代後半から70歳の方もいます。

比較的若い60代後半の入居者にとって、施設での生活は、今までの自宅での生活とは全く違う環境です。その為、若い入居者の行動や心理を理解した上で援助に取り組まなければなりません。
  

60代後半から70歳前後の入居者の行動・心理の理解

高齢者といっても前期高齢者(65歳~74歳)と後期高齢者(75歳以上)とでは、身体面だけではなく、精神面についても大きく差があります。前期高齢者の場合には、自分はまだ高齢者ではないという意識が強いので声掛けや介助に配慮が必要です。

前期高齢者の物忘れについても少し理解しておきましょう。
一般的に“物忘れ”と言われる記憶障害の多くの場合は、次のようにまとめられます。

①認知症などの影響による逆行健忘記憶保持や再生に関わる記憶障害であり、獲得した知識や技能において新しく記憶を忘れやすい

②脳の器質変化が原因とされている前向き健忘
(記銘の過程の障害と考えられ新しい体験を覚えられない)

③情緒の影響としての抑圧
(欲が満たされないことが続くと、欲求それ自体を思い出せなくなることによって自己防衛しようとすることなど)

④神経症からくるヒステリー性健忘
(一種の抑圧による健忘ではあるが、記憶していることさえも抑圧し、自分の都合の良いように運ぼうとする無意識の働きによる)

高齢者の人間関係3つの理解

前期高齢者の入居者を介護する場合に、特に気を付けて意識しなければならない3つの人間関係をご紹介します。この3つの人間関係を理解して介護にあたることが重要です。

・社会的な役割の喪失
人間関係の1つには、社会的な役割の喪失が挙げられます。定年という「仕事からの引退」は、会社という組織から退くだけではなく、それに付随した社会的な役割からの引退をも示します。本人の健康や本人のやる気に関係なく、一律に定められた仕事からの引退は長年の生きがいを喪失することになります。定年は①自己表現としての課題からの引退②経済力の縮小③仕事における人間関係からの引退を示します。

・高齢者の自己意識
定年による高齢者の最初の社会的役割の喪失体験は、壮年期の自己像を捨て、高齢者としての自己像を受け入れなければならないことでしょう。それは、定年退職という第一線からの引退が大きい理由を伴っています。例えば、急に老け込んだり、人柄が変わったりするのはそのためです。
 
・コミュニケーションとネットワーク
高齢者は、孤立化することで最も生きがいを失い、自殺の原因になったりします。たとえ、障害があって動けなくても、たとえ末期がんであと幾ばくかの命だとしても、人との繋がり、愛情に裏づけられた親和的な行動に満たされれば、生きていく幸せを感じていけるものです。高齢者となって、なおますます今を充実して生きるため、コミュニケーションのネットワークを常に再生していきたいものです。

まとめ

高齢者の主観的幸福感は一般的には健康度合いや日常生活動作と関係し、健康で役割をもち、対人関係が円滑で社会に積極的に参加している人ほど、幸福感を抱いている人が多いものです。

そして、人は高齢になればなるほど、生きがいを必要とするようになります。長い高齢生活を、楽しみを持って生活するためには、高齢であっても青年や壮年と共有できる価値観や話題を持つことも大切と考えられています。

高齢者援助の基本としては、まず次のような点が挙げられます。

①高齢者の自己表現に向けた援助であること
②自立支援であること
③高齢者のニーズへの援助であること

これらの基本を踏まえながら、高齢者を、偏見にとらわれずに正しく理解し共感することが大切です。

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