介護施設におけるシーツ交換のポイント

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介護施設では、入居者に快適な毎日を過ごしていただくために、介護職員が週に数回一斉にシーツを交換します。もしくは必要なときに個別にシーツを交換します。シーツを交換するといっても自宅でのシーツ交換と少し違いがあります。配慮のポイントについても覚えておきましょう

介護施設でのシーツ交換業務

介護施設でのシーツ交換は、施設ごとに曜日と時間が決まっています。介護職員の一日の業務は毎日同じです。一斉にシーツ交換を行うからと言ってほかの業務が省かれるわけではありません。

普段の業務の短い合間に一斉に行うので、手際よく交換していくスキルが必要になります。また、皮膚の弱い高齢者にとって、シーツのしわというのは、褥瘡などのトラブルの原因になってしまいますので、短時間でしわなく美しくシーツを張る必要も求められます。

このスキルだけを聞くと心配になってしまいがちですが、コツさえ掴んでおけば心配はありません。シーツ交換の早業の方法は各施設で独自のやり方があることが多いので、施設側もまずは、シーツの張り方の手順を必ず教えてくれます。難しいことはなく、1回実演したらあとは同じ作業になるので、すぐに上手くできるようになります。

シーツ交換の留意点などには前もって準備できることなので、ポイントを押さえておきましょう。

介護施設でのシーツ交換確認ポイント3つ

1.事前の確認
・入居者の麻痺や障害の有無、部位、状況などを確認しておきます。
・入居者の日中の過ごす場所を確認しておきます。日中デイルームなどで過ごされるかたは、その合間をみて交換が行えます。また寝たきりの方などは入浴の時間に合わせてシーツを交換します。
・シーツ交換は一斉業務になりますが、あくまでも入居者のニーズに合わせて行うことを忘れないように配慮することが大切です。

2.実施時の確認
・シーツやカバーなど必要な用具を確認します。
・ベッドメイキングやシーツ交換を始める前に寝具類の汚れを確認します。

3.事後の確認
・汚れ物は洗濯します。その他の用具は、元の位置に戻します。
・不快感や不満がないか、本人に確認します。

シーツ交換の準備

シーツ交換は、利用者が動ける場合、室外に移動してもらってから行います。

準備するものは、
•交換する必要のあるリネン類
•洗濯物入れ
•ベッドブラシです。

作業前の準備は、
①リネン類の清潔、汚染の状況をチェックして、交換する必要があるもの、再利用できるものを判断して、準備すべきものを決めます
②利用者さんの不要な運動、振動をできるだけ避け、能率的に作業を進めるため、必要なリネン類は使う順序を考えて重ねておきます。

手順は、毛布や掛布団は再使用を考えながら足元に向けて折り、ベッドのそばの椅子などに置きます。状況により、タオルケットで身体を覆います。

シーツ交換時にあると便利なもの

・タオルケット
吸湿・吸水性に富むため、毛布や掛布団の下など、直接肌に触れるところに使うと他のかけ物の汚れを防げます。また、清拭や排泄時の保湿、汚れ防止にも利用できます。

・床頭台
枕元に置いて、利用者さんの日用品や介護用具の収納庫として用います。さらに、介護を行うときは物品を置く台として、また、利用者さんの日常生活上のテーブルとしても利用できます。

シーツ交換時のポイントと留意点

・寝心地がよく、安眠できる安全な寝床に整えます。
・特に寝たきりの場合、マットレスパッドや敷布団の乾燥は十分に行います。
・シーツ交換時は、シーツの上にあるほこり等が舞い上がらないように配慮しながら、手際よく行います。外したシーツは汚れのある面を内側に丸め込むように小さくまとめて始末しておきます。
・シーツにしわが寄らないように四隅を引っ張る要領でしっかりと張ります。しっかりと張られたシーツは、寝返りをしてもしわが寄りづらい効果があります。
・無駄な動作を避けるため、リネンのたたみ方は一つの方法に決めておきます。
・ベッド上だけではなく、ベッドまわりもきちんと整えます。
・介護職員にとっては同じ動作の繰り返しとなります。介護者のボディメカニクスにも配慮することも大切です。